バドミントン選手権VS矢沢永吉コンサート

 健です。少し前になりますが、神宮に、世界バトミントン選手権、決勝を見に行きました。バドミントンの中ではオリンピックの次に大きな歴史ある大会で、日本で初の開催だったので、楽しみだな、と思って東京体育館の席を取ったのですが、偶然同じ日に、矢沢永吉さんのコンサートがあることを知りました。場所はバドミントンが行われる東京体育館のおとなり、国立競技場です。矢沢さんのコンサートが終わる時刻と、バトミントン決勝が終わる時刻もかぶっているため、帰りは電車に乗れるか危ぶまれる混雑に巻き込まれること必至です。
そして当日。私は仕事の都合で午前中、浜松町にいたのですが、それはもう始まっていました。浜松町といえば空港近く。遠方から泊りがけで来られたのであろうスーツケースを引いた男性の白いジーンズには、大きく『YAZAWA』の文字が。私はバドミントンの決勝が見たいだけなのに、まともに帰れるでしょうか。試合が終わるや否や、表彰式も見ずに東京体育館を出た私。しかし、ちょうど国立競技場のコンサートも終わったようで、あたりは黒山の人だかりといいますか、黒と赤と金色と白の人だかりといいますか、どうやったら夜のこの時間までその高さを保てるのかと思ってしまう立派なリーゼントの方々、『YAZAWA』ステッカーで彩られた車(ナンバーも830=ヤザワ、だったりするらしいですね)の数々・・・。ただこれが、コンサートの興奮もあるでしょうし、もうちょっと肩に風を切って歩いている感じなのかと思いきや、みなさんジェントルで粛々と行動されていて、矢沢永吉さんレベルになると、ファンの皆さんもマナーが行き届いているのかと、YAZAWA服がだんだん礼服のように見えてきました。
私はさすがに混雑MAXであろう総武線は避け、新宿まで徒歩。新宿からは座って帰ろうと、特急かいじを待つと、同じかいじ待ちのYAZAWAコンサート後の方々がホームにちらほら。60代後半かと思われるリーゼント姿のみなさんが、コンサートの余韻を楽しむように、仲間と言葉を交わしながら笑顔でビールを飲んでいらっしゃる姿に、豊かさを感じました。人生の先輩が人生を楽しんでいる姿は、人生の後輩として、なんとも勇気づけられます。車内の空気がYAZAWA色の特急かいじで、ちょっと粋な気分で帰ってきました。

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この記事を書いた人

絵本・児童書の企画、文章、絵全般を担当。元銀行員。
独学で『こどもの未来絵本大賞』受賞、『こどもの詩周南賞作詞部門』優秀賞、健との共作で『第三回家族のきずな絵本大賞』大賞受賞。
ブログの文章も担当。

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